- ジャンル
- 趣味・カルチャー
- ISBN
- 978-4-86476-987-7
- ページ数
- 120ページ
- 判型
- 並製本 A5判
- 発売日
- 2021年9月16日
- 価格
- 定価2,200円(本体価格2,000円)
- 分類コード
- 0021
狗奴国は高志国・クヌカの国
私は、数年前に「『日本書紀』・応神天皇条の紀年全体が5年ほど新しい年にずれている」ことに気付きました。本書はこのずれを修正した『日本書紀』・応神天皇条を基にして、東アジアの文字資料と考古資料を参照し、2世紀の倭国大乱から、邪馬台国と狗奴国が対立した3世紀の時代、そして4世紀から5世紀前葉の五胡十六国時代までの日本の歴史を検討しました。
その結果、邪馬台国は畿内であり、狗奴国は北陸地方であると推定できることが解りました。そして狗奴国は石川県と富山県が主要な地域で、さらにその都は富山湾沿岸の地域であると推定しています。
考古資料では、古墳時代前期の「布留0式期の実年代」を、中国の383年の「淝水の戦い」を起点とする東晋王朝の復権による東アジアの大きな変動の時期、つまり4世紀後葉であるとしています。
従って布留0式期以後から造られたとみられる三角縁神獣鏡は「五胡十六国時代の東アジアの大きな動乱」を象徴的に示すとともに、「応神天皇が窮地にあった非常に多くの漢人の救出を行なった」ことを示す貴重な物証であると考えています。この「布留0式期の実年代」の4世紀後葉から、定型化した前方後円墳が数多く造られるようになりました。