時人さんのお気に入り

『時人さんのお気に入り』の表紙。散る朽葉の中、木の廊下に立つ緑の着物の海松と、後ろから肩を抱く青い着物の時人

時人ときひとさんのお気に入り

文・絵園原ぼたん

人は他の人のことを踏みつけて上に登らないと生きていけないのか―。

日本の四季折々の季節の行事と短歌が彩る恋物語。

本書の帯より

はじまりの一首

バーの席で、時人が向かいに座る海松の耳元に白い百合をさしている挿絵
秋東京のバーで、時人が海松の耳元に白い百合をさす(12〜14ページの場面)本書 13ページ

赤朽葉 君を染めるる 肌の色 白き花持ち 君へ添えたる

古沢時人(本書 14ページ)

東京の歓楽街のバーで「ヴィオラ」と名乗って働く海松は、浅黒い肌の色と自分の顔に自信がありません。ある日、白いスーツの男・時人は、海松の肌の色を「赤朽葉の色だね」と言い、机の花瓶から白い百合を一本取って海松の耳元にさすと、この一首を詠みました。

赤朽葉は、秋に木々の葉が紅葉して落ち葉になるまでの色「朽葉色」の、赤っぽい色。日本の昔の色の名前です。

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どんなお話?

時人は、京都で千年以上続く元公家の家の長男で、跡継ぎでした。時人の婚約者として京都の屋敷で暮らすことになった海松は、時人の母・初柄から、元公家の家の人間として季節の行事をこなしていくように言われます。

お彼岸のお萩のあんこ作りから、十三夜の月、流しびなまで。おぼつかないながらも行事をこなしていく海松。最初は時人のことが好きでなかった海松も、海松のことを想って短歌を詠んでくれる時人に、次第に心惹かれていきます。

  • 時人は海松に会って四日目で、なぜ海松を婚約者と決めたのか。
  • 『人間嫌いの時人様』とは何か。
  • そして、時人の悩みとは?

内容紹介より

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めぐる季節の行事

初秋の東京から始まった物語は、京都の屋敷で、秋・冬・春・夏の行事をめぐります。

秋

  • 秋のお彼岸
  • 菊の節句
  • 十三夜の月
  • 紅葉と神無月

冬

  • すす払いと松採り
  • 冬至
  • お正月
  • 七草がゆ
  • 松の内が明けて
  • 節分

春

  • 梅花祭
  • 流しびな

夏

  • ホタル
  • 茅の輪くぐり

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著者自身の手描きの挿絵

「分かりやすい文章と著者自身によるカラーイラストと挿絵入り!!」(本書の帯より)

水彩のカラー口絵。白い百合の花のそばに立つ、桃色の着物の女性
巻頭のカラー口絵本書 1ページ
台所で鍋の小豆を木べらで混ぜる海松と、そばで見守る着物姿の時人の母の挿絵
秋秋のお彼岸。時人の母に教わり、お萩のあんこを作る(86〜90ページの場面)本書 89ページ
障子の大広間で、杯を手にした着物姿の人々の挿絵
秋菊の節句。杯に菊の花を浮かべ、短歌を詠む会(101〜106ページの場面)本書 105ページ
満開の桜の木を見上げる、着物姿の海松と時人の挿絵
春流しびなの日、満開の桜を見上げる(167〜168ページの場面)本書 169ページ

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書誌情報

書名
時人さんのお気に入り
著者
園原ぼたん(文・絵)
ジャンル
小説
判型・ページ数
B6判・並製本・216ページ
定価
1,100円(本体1,000円+税)
発売日
2025年12月10日
ISBN
978-4-434-36749-6
発行
ブイツーソリューション(発売:星雲社)