Book Detail
桃源郷
内容紹介
「桃源郷へ行って死ぬ。それが叶わないなら悪人になって、こんな世の中を笑い飛ばして生きてやる」
生家の貧困と、就職氷河期と、コロナ禍という三重苦に見舞われた陽介は、人生に絶望し、そう思い詰めていた。ある日、桃源郷を探しに行った帰りに電車が崖崩れに遭い、鬼の顔をした駅に降ろされた。そこで神谷家の人々と出会う。
戻った陽介は、世間の間違ったルールを捨てて人間の正義に従おうと、搾取された金を取り戻すべく盗みをする。だが、金は入っても、心は晴れなかった。
そんな折、神谷から鬼の里の花祭りに誘われる。夜通し続いた祭りの最後に、「生まれ清まりの産湯」を浴びた陽介は、消滅寸前の里で、ついに希望を見出す。
文芸評論家・山崎行太朗氏推薦。現代日本の病根をえぐる、絶望からの再生の物語。
著者について
緋野晴子(ひの はるこ)
1955年3月生まれ。愛知県新城市在住。
日本ペンクラブ会員・日本文藝家協会会員。
既刊に『たった一つの抱擁』『沙羅と明日香の夏』(東愛知新聞社主催 第21回ちぎり文学賞奨励賞受賞)『青い鳥のロンド』『時鳥たちの宴』。
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