Book Detail
LUCKY BOY
ある少年志願兵の記録
内容紹介
昭和二〇年八月一五日。私は内地の終戦がどのようにして行われたかを全く知らない。
その時点ではフィリピン・ミンダナオ島、ダバオの山中に在り、戦闘を継続していたからである。
清楚な服装に短剣を帯びたスマートな海軍のスタイルに憧れ、どうせ軍人になるのなら一日も早く娑婆にサヨウナラした方が勝ちだと、自己流の解釈をして海兵団の門を潜ったのである。
海軍生活は外見と中味、表と裏は想像を絶する厳しいもので、これが日本海軍の正体なのか、もうここには“人間”は存在しないのではないかと後悔と失望にかられたものである。
人類が再びあの愚かにして悲愴な殺戮を繰り返さぬために、不戦の誓いを込めて弔魂の誠を捧げると共に、悠久の平和を祈念してこの記録を残す事にした。
(「まえがき」より抜粋)
